五十嵐カノアの人生を一変させたターニングポイントは?

件のコメント 2020年4月17日 |
(Photo by Matt Dunbar/WSL via Getty Images)

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「あの勝利が戦い方、トレーニング方法、自分自身の振り返り方すべてを変えた」。

そう話すのは、2019年のチャンピオンシップツアー(CT)第3戦、コロナ・バリ・プロテクテッドでCT初優勝を飾った五十嵐カノア。この勝利が五十嵐にとってターニングポイントとなった。

もちろん優勝する前の五十嵐も優れた競技者だったが、彼にとってのヒーローを倒し、世界王者になれるほど心身ともに戦う準備ができていなかった。しかし世界最高峰の猛者を前にパーフェクトなサーフィンでCTイベントを勝利したことで、五十嵐の自身の見つめ方が完全に変わった。

WSL:インドネシアに初めて旅行したのはいつ?

五十嵐:バリは日本から近かったので、両親がよく連れてきてくれた。最初に来たのは、おそらく9歳くらいのとき。そのあと、家族旅行で何度かインドも訪れたかな。でも、バリで初めて試合をしたのは、14歳の時のワールドジュニアーズ。(コロナ・バリ・プロテクテッドが行われた)ケラマスでサーフィンしたのは、その時が初めてだった。波が怖くて、ただその場にいただけだったかな。当時は、どれだけ浅くて、どれほどくぼんでいるかわからなかった。一度もエンドセクションまでトライすることができず、1回戦で負けた。怖かったので、二度とケラマスでサーフィンをしないと思いながら、バリを離れたのを覚えているよ。

WSL:2019コロナ・バリ・プロテクテッドの優勝から約1年が経過しようとしているが、あの勝利は自分のキャリアにどんな影響を及ぼしている?

五十嵐:本当に特別だった。正直に言って、あの優勝が人生を変えた。自身の殻を打ち破って、大きく前進した。ルーキーイヤーだった(2016年の)パイプ(ビラボン・パイプ・マスターズ)で決勝に進んだけど、あの時は完全にまぐれだった。うまくサーフィンできたけど、優勝を狙えるような感じではなかった。18歳でまだ子供だった。そして、そこから成長していった。2019年のケラマスでは、終始うまく試合運びをできた。各ヒートにおいて、勝利に向けてまい進した。パイプでは人のために勝とうと思っていたけど、ケラマスでは最初から最後まで自分が勝つと思っていた。

しっかりと準備していたし、ケラマスが自分のサーフィンに合っているようことも分かっていた。だから、優勝できたことは本当に大きかった。ここから自分に自信を持ち、今では優勝者の自覚がある。このような感情はそれまで感じたこともなかったし、それに近いものもなかった。あの勝利が戦い方、トレーニング方法、自分自身の振り返り方すべてを変えた。

WSL:新型コロナウイルス感染症が世界的に流行して、CTが開催延期するなど各スポーツ界でも大きな影響を及ぼしているが、自分の考え方は、トレーニング方法から競技生活までどのように変化した?

五十嵐:たくさんの別の感情があるけど、明らかにサーフィンより大きいもの。心配すべきことはたくさんある。それは、サーフィンや競技ということではなく、いまこの世界に生きているということが一番大事なこと。結局のところ、母なる大地がすべての物事を司っていると思う。特に僕たちサーファーにとってはそう思える。

WSL:あなたにとって希望の光はある?

五十嵐:まず、今回のような状況は、試合をする準備ができていたのでがっかりしている。今までよりメンタル的にもフィジカル的にも。でも、ここ5、6年の同時期より家族や友達と過ごす時間が増えている。目覚まし時計をセットせずに起床して、両親と朝食と昼食をとる。シンプルなことだけど、自分にとっては本当に特別なこと。競技からの辛さを解放してくれるから。自分のペースを落として、些細なことにも感謝する。ツアーでは、自己中心的で周りが見えていない。サーフィンより世界には大きくて大事なものがあることを忘れてしまう。だから、今は自分を見つめ直す重要な時間なんだ。家族とも過ごせるしね。再び戦う日が来た時には、今までよりしっかりと準備をして試合に挑むことができると思う。


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